一口に投資信託と言っても、さまざまな種類の商品があります。これから投資信託で資産運用をしようと考えているのであれば、自分の目的に合ったものをその中から選ぶことが大切です。
今回は、投資信託の内容を把握する上で押さえておきたい種類について、まとめて解説していきます。「何に対して」「どんなふうに」投資をしているのか、しっかり理解した上で商品選びができるようになりましょう。
投資対象地域による分類
投資信託は、「何に対して」投資を行うかという観点から、投資対象の地域によって、以下の3つの分類することができます。
- 国内
- 海外(先進国)
- 海外(新興国)
なお、上記の複数の地域にまたがって投資を行う商品もあります。それでは、それぞれの種類について特徴を見ていきましょう。
国内
投資対象地域が「国内」の商品は、日本国内の資産に対して投資を行います。運用成績は日本の経済環境の動向に影響を受けることになりますが、身近なこともあり情報が多く、状況を把握しやすいところがあります。
海外(先進国)
投資対象地域が「海外(先進国)」の商品は、日本以外の先進国の資産に対して投資を行います。例えば、米国やカナダといった北米をはじめ、英国やドイツ、フランスなどのヨーロッパをイメージするといいでしょう。これらの先進国は、経済環境の動向について国内ほどではないものの情報量が多く、状況も把握しやすいと言えます。
海外(新興国)
投資対象地域が「海外(新興国)」の商品は、海外の新興国の資産に対して投資を行います。代表的なところでは、BRICsと呼ばれるブラジル・ロシア・インド・中国などが挙げられます。
経済環境の動向について正確な情報を適時に入手するのが困難な場合もあり、不確定要素が多いことはあらかじめ意識しておいた方がいいでしょう。
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海外は為替ヘッジの有無に注意
投資対象地域が海外の商品は、その地域の通貨ベースで運用が行われます。そのため、投資資産の価格変動だけでなく、為替変動の影響も受けることになります。
例えば、米国が投資対象地域の場合、ドル高円安が進めば資産(円換算ベース)が増えますが、円高ドル安が進めば資産が減ってしまいます。
なお、商品によっては、為替変動によるリスクを抑える為替ヘッジを行っているものもあります。海外の投資信託を購入する際は、為替ヘッジの有無を必ずチェックしておきましょう。
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投資対象資産による分類
同じく投資信託が「何に対して」投資を行うかという観点ですが、投資対象となる資産の種類からは、以下の4つに分類することができます。
- 債券
- 株式
- 不動産投資信託(リート)
- その他の資産
なお、上記の複数の資産にまたがって投資を行う商品もあります。こちらについても、それぞれの種類の特徴を見ていきましょう。
債券
投資対象資産が「債券」の商品は、国債や公社債などの債券に投資をします。債券は発行元の国や企業が破綻しない限り、決められた利息が支払われ、償還年限まで保有すれば元本が得られるため、比較的安全性の高い資産と言えます。
ただし、リスクが小さい分、一般的には他の資産よりも利回りが低いものが多いですが、ハイイールド債と言われる発行元の信用力が低いものもあり、リスクが大きい分、高利回りとなっている債券もあります。
投資対象が債券の場合、どの程度の信用力のある債券をターゲットとして運用を行う方針なのか、しっかり確認しておくことが大切です。
株式
投資対象資産が「株式」の商品は、企業が発行する株式に投資を行います。株式の価格は発行企業の業績の影響を受けるため、債券に比べて価格変動が大きい傾向があります。
債券と比較してより大きな利益を期待できますが、運用がうまくいかなかった際の損失は大きくなる可能性があります。
投資対象が株式の場合、投資対象の企業の業績が大切です。どういった方針で投資対象の株式が選定されるのか、よく理解しておくようにしましょう。
不動産投資信託(リート)
投資対象資産が「不動産投資信託(リート)」の商品は、投資家から集めた資金で不動産を所有し、賃貸収入による利益や売却益を分配するリートに投資を行います。
リートは一般に、利益に対する分配金の割合が高い特徴があります。また、賃貸収入は比較的安定しているため、分配金を安定的に受け取ることが期待できます。
ただし、不景気や金利上昇、災害などによって不動産市場が悪化すると、リートも大きく影響を受けます。不動産市場の動向をしっかりチェックしながら、投資判断を行うことが大切です。
その他の資産
投資対象資産が「その他の資産」の商品は、今までに紹介したもの以外の資産に投資を行います。代表的なところでは、金や原油、穀物などのコモディティ(商品)が挙げられます。
例えば、それぞれの商品の需要と供給のバランスなど、独自の要因によって変動するため、分散投資の対象としても取り入れやすいところがあります。
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運用方法による分類
投資信託が「どんなふうに」投資を行うかという観点からは、大きく以下の2つに分けることができます。
- インデックス型
- アクティブ型
上記のタイプを比較すると基準価額の動き方が異なっていますので、それぞれの特徴をしっかり押さえておきましょう。
インデックス型
インデックス型とは、例えば日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった指数の動きに連動するように運用される商品です。市場の平均な値動きに連動することを目指しており、パッシブ運用とも言われます。
対象とする指数によって、同じインデックス型でもさまざまな値動きをします。インデックス型の商品を購入する際には、対象とする指数が何か、どんな要因で変動するのか、しっかりリサーチしておきたいところです。
アクティブ型
アクティブ型とは、市場平均より高いパフォーマンスを目指して、積極的な運用を行う商品です。市場平均を上回るためには組み入れる資産を厳選する必要があり、運用成績はファンドマネージャーの力量に依存します。
商品によって運用方針は異なります。例えば、株価が割安な企業に投資をするバリュー投資や、成長性の高い企業に投資するグロース投資など、どのような方針で運用が行われるのかを押さえておくことが大切です。
なお、アクティブ型は高度な分析や運用が必要となるため、インデックス型に比べて信託報酬が高い傾向にあります。このコストも勘案した上で、より高い運用成績を期待できる商品を選ぶことになります。
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その他の分類
「何に対して」「どんなふうに」投資を行うかという基本を見てきましたが、投資信託にはその他の観点からも分類することができます。どのような分類があるのか、簡単に見ていきましょう。
分配金の取扱いによる分類
投資信託は、定期的(毎月・隔月・四半期・半年・毎年など)に行われる決算ごとに投資家に分配金を支払うことができます。分配金の取扱いは商品ごとにさまざまで、以下のようなパターンがあります。
- 受取型
- 再投資型
- 無分配型
分配金が支払われるのが受取型と再投資型で、受取型は分配金を投資家が現金として受け取る形で、再投資型は分配金でその商品が追加購入される形です。無分配型は、分配金が支払われません。
追加購入の可否による分類
投資信託は、購入できる時期によって以下の2つに分類できます。
- 単位型(ユニット型)
- 追加型(オープン型)
単位型は、投資信託のスタート時の募集期間にのみ購入でき、その後は追加購入できません。追加型は、投資信託がスタートしてからも、基本的にいつでも追加購入することができます。
換金方法による分類
投資信託には換金(解約)の可否によって、以下の2つに分類できます。
- オープンエンド型
- クローズドエンド型
オープンエンド型は、基本的にいつでも基準価額をベースに計算した金額で、換金することが可能です。
一方、クローズドエンド型は原則として途中での換金ができません。そのため、一般的に投資家は、基準価額ではなく市場で形成される時価で売却することになります。
税務上の分類
税務上、投資信託は以下の2つに大きく分類されます。
- 公社債投資信託
- 株式投資信託
公社債投資信託は、公社債で運用を行う投資信託で、株式を資産として組み入れることはありません。公社債投資信託に該当しない投資信託が、株式投資信託に分類されます。
例えば、所得税の計算上、公社債投資信託の収益分配金は利子所得として取り扱われますが、株式投資信託の収益分配金は配当所得として取り扱われる、といった違いがあります。
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目論見書でしっかり確認しよう
今回は、投資信託の分類について、基本的なところから細かいところまで紹介してきました。投資信託を選ぶ際には、どういった種類の商品なのかを確認して特徴を理解することを意識しましょう。
投資信託の種類は目論見書に記載されているので、この目論見書をしっかり読むことが大切です。初めは少し難しく感じるかもしれませんが、記載している項目はだいたい決まっているので、すぐに慣れると思います。
投資をする際は、自分がどんなリスクを取ってどんなリターンを狙っているのか、きちんと理解しておきたいところです。そのためにも、目論見書を読み込む癖を早めに付けておきましょう。
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員