「ETF」という金融商品についてご存知でしょうか?
ETFは「Exchange Traded Funds」の頭文字を取った略称で、上場投資信託とも呼ばれているものです。
本記事ではETFの特徴と、投資信託との違いを解説したうえで、それぞれどのような人に向いているかをご紹介します。ETFと投資信託それぞれの特徴を知って、どちらが自分に向いた資産運用なのかチェックしてみましょう。
ETFの特徴
ETFは、証券取引所に上場している投資信託のことを言います。TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などの特定の指数に連動することを目標として運用されています。
このような運用方法はインデックス運用と呼ばれ、投資信託の「インデックスファンド」でも行われています。ETFは、株式と投資信託の特徴を併せ持った金融商品と言えます。
ETFには国内で組成された「国内籍ETF」と海外で組成された「外国籍ETF」の2つがあります。
国内籍ETFは全国の証券会社で取引することができます。外国籍ETFの大半は海外の証券取引所に上場していますが、一部の国内の証券会社で取引できるものもあります。
ETFの種類は豊富で、連動を目指す指数によって以下のように分類されています。
(※)レバレッジ(ブル)型とは、原指標(TOPIXや日経平均など)の日々の変動率に一定の倍率を乗じて算出されるレバレッジ型指標に連動することを目指す商品。一方インバース(ベア)型とは、原指標の日々の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出されるインバース型指標に連動することを目指す商品。インバース型指標は元となる指標と逆の動きをする。
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ETFと投資信託の違い
ETFと投資信託の違いについて、「売買方法」「コスト」「利益にかかる税金」の3つのポイントで比較していきましょう。
①売買方法
ETFの売買方法
ETFは証券会社を通じて購入することができます。取得価額は株式と同様、リアルタイムで変動する市場価格となります。
最低購入金額は市場価格や売買単位によって異なりますが、一般的には1万円~数万円程度から購入できます。
投資信託の売買方法
投資信託は証券会社、銀行、郵便局などの販売会社で購入することができます。取得価額は1日1回算出される基準価額となります。
販売会社や商品によって最低購入金額は異なりますが、一般的には100円~1,000円程度から購入可能です。
②コスト
ETFにかかるコスト
ETFでは取得時・運用期間中・売却時にそれぞれコストがかかります。それぞれのタイミングでかかるコストは以下のようなものが代表的です。
※なお、上記の他、ファンドによってご負担いただく費用があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)などでご確認ください。
投資信託にかかるコスト
投資信託でもETFと同様、取得時・運用期間中・売却時(解約時)にそれぞれコストがかかります。投資信託にかかるコストには以下のようなものがあります。
※なお、上記の他、ファンドによってご負担いただく費用があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)などでご確認ください。
③利益にかかる税金
ETFの利益にかかる税金
ETFの運用の結果出た収益から投資家に還元されるお金を「分配金」と言います。
ETFの分配金は課税対象となり、分配金に対して税率20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されます。
また売却時に利益が出た場合にも20.315%の税金がかかります。ただし少額投資非課税制度(NISA、つみたてNISA等)を利用した場合は非課税となります。
投資信託の利益にかかる税金
ETFと同様、運用の結果得た収益から投資家に還元されるお金を分配金と言います。
投資信託の分配金は「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」に分類され、普通分配金に該当する部分のみ課税対象となります。税率はETFと同じ20.315%です。また売却時に利益が出た場合にも20.315%の税金がかかります。
ただし少額投資非課税制度(NISA、つみたてNISA等)を利用した場合は、普通分配金でも非課税となります。
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あなたはどっち?ETFと投資信託それぞれに向いている人
ETFと投資信託の特徴・違いについてご理解いただけたかと思います。それを踏まえて、それぞれどのような人に向いているのかをご紹介します。
ETFでの資産運用に向いている人
(1)わかりやすい値動きの商品で運用したい人
ETFは特定の指数に連動するよう運用されています。そのため値動きがわかりやすいといったメリットがあります。
TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などメジャーな指数をベンチマークとしている商品も多いので、ニュースや新聞からこれらの指数を比較的容易に情報収集できます。
(2)効率よく分散投資したい人
ETFはインデックス運用のため、特定の指数を構成する銘柄全体に分散投資しているのと同じ効果が期待できます。一つの商品を保有しているだけで分散投資できるため、効率よくリスクを抑えることができます。
(3)マーケットの状況を見て売買したい人
ETFは株式と同様リアルタイムで価格が変動するため、マーケットの状況を見て売買できます。そのため投資に少し慣れてきて、株式と同じ方法で売買してみたい方にはETFが向いています。
投資信託での資産運用に向いている人
(1)投資をこれからはじめる人
投資商品を購入したことがない投資初心者の方は、注文方法がシンプルな投資信託が向いています。ETFのように注文方法が複数あるわけではないので、比較的簡単に購入することができます。
また1日1回算出される基準価額をもとに購入価額が決まるので、その日のなかで購入するタイミングを見極める必要もありません。
(2)少額から投資を始めたい
投資信託は少ない金額から投資を始めることができます。
前述のとおり投資信託は100円~1,000円程度から購入可能。ETFは1万円~数万円程度から購入可能です。
少額から資産運用を初めてみたい方にとっては、投資信託のほうが金銭的なハードルが低くてよいでしょう。
(3)多くの商品から選びたい
多くの商品から選びたい場合は投資信託での資産運用がよいでしょう。ETFを除いた公募投資信託(証券会社や銀行などの金融機関で広く一般的に募集を行う投資信託)の商品数は約5,800本、ETFの商品数は約200本と、投資信託のほうが選択肢は多くなっています。*1
(4)iDeCoやつみたてNISAを利用したい
iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを利用したい場合は、投資信託のほうが対象となる商品の選択肢が多くあります。iDeCoは投資信託と定期預金・保険が対象となっているのでETFでは利用することができません。またつみたてNISAはETFも対象ではありますが、対象商品が限定的です。
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ETFと投資信託の違いを知って自分に合った資産運用を
ETFと投資信託にはそれぞれ特徴やメリットが異なるため、その人の投資経験やどのような方法で運用したいかによってどちらが向いているかは異なってきます。それぞれの特徴を知ったうえで、自分に合った資産運用をはじめてみてはいかがでしょうか。
*1 出所)投資信託協会「統計データ A-2.投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)」
・投資信託は、基準価額(ETFを市場で取引する場合は市場価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。投資信託は、銘柄ごとに設定された購入時や換金時の手数料(ETFを市場で取引する場合は売買委託手数料)、運営管理費用(信託報酬等)等の諸経費をご負担いただく場合があります。詳細は、投資信託説明書(交付目論見書)やお取引される証券会社の重要事項説明書をご覧ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面やお取引される証券会社の重要事項説明書の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員