つみたてNISAの解約 ちょっと待って!知っておきたいポイント

つみたてNISAの解約 ちょっと待って!知っておきたいポイント

2018年から始まった「つみたてNISA」制度。一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益が非課税となることもあり、その利用口座数は伸び続けています。
金融庁の公表している「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」によれば、つみたてNISAの口座数は、2020年12月末時点で302万8,259口座となりました。*1

ところで、このように多くの人に利用されているつみたてNISAですが、一度始めてしまったら解約はできないのでしょうか。
この記事では、つみたてNISAの仕組みとメリットを改めて確認するとともに、解約の可否や、解約する場合の注意点について解説します。

つみたてNISAとは

まず、つみたてNISAについて簡単におさらいしておきましょう。

つみたてNISAの仕組み

つみたてNISAとは、日本に居住する20歳以上の人がNISA口座を開設することにより、その口座内で売買した一定の投資信託から得た分配金や譲渡益が非課税となる制度です。
口座開設可能期間は2018年~2042年で、そのうち非課税期間は最大20年で、年間の新規投資額上限は40万円、累計での投資額上限は最大800万円です。
口座開設可能期間は、令和2年度の税制改正により5年間延長されました。*2

なお、iDeCoとは異なり社会保険料控除などの対象とはなりませんので、所得控除等の適用は受けません。
また、非課税期間終了時点の取り扱いについても、iDeCoでは原則60歳以降に払い出しが可能となるのに対し、つみたてNISAでは本人の年齢に関わらず、非課税期間が終了した時点で売却して現金化するか、引き続き運用する場合には課税口座(一般口座又は特定口座)へ移し替えされる点が異なります。*3
つみたてNISAを始めるには、まずは証券会社や銀行等の金融機関でNISA口座を開設することからスタートします。
NISA口座は、1人1口座に制限されており、取引する金融機関は1年単位で変更できますが、取引をしやすい金融機関を選びましょう
NISA口座を開設したら、毎月の積立額を決定し、つみたてNISAでの運用が開始されます。

つみたてNISAのメリット

通常、課税口座で保有している投資信託から得た分配金や投資信託を売却して得た譲渡益に対して20.315%の税金がかかります。20.315%の内訳は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%です。*4
一方で、NISA口座を開設してつみたてNISAを利用した場合には、投資信託から得た利益に対する税金が非課税となります。また、つみたてNISAの対象となる一定の投資信託には、購入手数料や運用管理費用や手数料の低いものが選定されており、これらのコストが低い点も特徴です。
更に、毎月一定額の積立投資を行うことで投資時期が分散され、一括投資に比べてリスクを抑える効果が期待でき、安定的な資産形成に向いている点も、メリットと言えるでしょう。

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つみたてNISAは解約できない?

さて、つみたてNISAを始めたものの、その後の状況変化などにより、毎月の積立額が家計の負担になってしまう場合もあるでしょう。では、つみたてNISAは一度始めると、解約できないのでしょうか。
つみたてNISAの解約の可否や、解約の場合の注意点について解説します。

つみたてNISAの解約

結論から言えば、非課税期間中であっても、つみたてNISAの解約は可能です。また、iDeCoとは異なり、解約の理由を求められることもありませんので、いつでも、理由を問わず解約をすることができます。
つみたてNISAを解約する場合には積み立てた投資信託を売却することになり、非課税口座を解約する場合にはNISA口座の解約の手続きを行うこととなります。
NISA口座の解約方法や解約時の必要書類は金融機関により異なりますので、口座のある金融機関へ確認してください。

つみたてNISA解約のデメリット

つみたてNISAは前述の通りいつでも解約をすることができますが、解約のデメリットについてはよく理解しておきましょう。つみたてNISAを解約する主なデメリットは、次の通りです。

・非課税枠が使えなくなる
NISA口座を一旦解約するとその年の非課税枠が使えなくなってしまいます。投資を再開する可能性があるのであれば、NISA口座の解約はされない方が良いでしょう。

・複利の効果が低減する
つみたてNISAでは、投資により得た利益をそのまま再投資に回すことができる点が大きな特徴です。
これを「複利」と言いますが、複利で運用をすることにより、より投資効果が大きくなります。
複利効果そのものは課税口座で保有する一般の投資信託でもある程度得ることはできますが、NISA口座では投資で得た利益を非課税でそのまま再投資に回すことができ、しかもつみたてNISAは長期間運用することにより大きな効果が期待できると言えるでしょう。
複利効果を狙い、長期で資産形成を考えるのであれば、NISA口座の解約は再検討したほうが良さそうです。

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つみたてNISAを解約しようと思ったときに考えるポイント

ここまで、つみたてNISAの解約にはデメリットがあることを見てきました。
しかしながら、急な資金需要でどうしても、投資の中断や投資信託の売却を考える必要が出てくることがあるかも知れません。
そのような場合は、つみたてNISAを解約するしかないのでしょうか。解約以外の方法について、確認していきましょう。

つみたてNISA、積立金額の変更

当面の資金繰りを理由につみたてNISAの解約を検討している場合には、まず、毎月の積立金額の変更を検討しましょう。
つみたてNISAは通常、つみたてNISAを始めた際に決めた金額を毎月定額で積み立てます。この積立金額は、積み立てを開始した後でも、いつでも変更が可能です。
積立金額が負担となっている場合には、口座を解約してしまう前に、まずは毎月の積立金額を減らすことを検討しましょう。

つみたてNISAの一部解約は可能?

つみたてNISA自体を解約しなくても、NISA口座で保有している一部の投資信託の解約は可能です。
毎月の積立金額の変更によっても当面の資金需要を満たせない場合には、つみたてNISAのすべての契約を解約する前に、積み立てた投資信託の一部の解約を検討しましょう。

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おわりに

このように、つみたてNISA口座は、いつでも解約することが可能です。この点はiDeCoとの大きな違いの1つとして、知っておくとよいでしょう。
とは言え、解約にはデメリットもありますので、長期的な資産形成の観点から、可能であればNISA口座の解約は行わず、積立金額の変更や積み立てた投資信託の一部の解約から検討されてはいかがでしょうか。

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・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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