ファイナンシャルプランナーとは 相談の流れと費用を把握し資産形成に上手に活用しよう

ファイナンシャルプランナーとは 相談の流れと費用を把握し資産形成に上手に活用しよう

FPとも呼ばれることがある、ファイナンシャルプランナー。
相談者のライフプランに合わせ、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、相談者の立場やライフイベントを考慮した上で、長期的かつ総合的な視点でさまざまなアドバイスを行い、その実行をサポートします。*1

FP資格は主に3つあり、FP技能士、AFP資格、CFP®資格が存在します。

またFP技能士検定では、下記6つのカテゴリでその能力が試験されます。*2
逆に言えば、これらの分野で相談者の悩みを解決するために勉強し、また実務を積んでいる人たちであると考えて良いでしょう。

  1. ライフプランニングと資金計画(社会保険、年金、住宅ローン、教育資金などの個人資金計画に関する知識)
  2. リスク管理(生命保険、損害保険の仕組みや主な商品内容、リスクマネジメント全般の知識)
  3. 金融資産運用(預貯金、株式、債券、投資信託など、金融商品とその運用方法全般の知識)
  4. タックスプランニング(所得税、法人税、消費税等の税金に関する知識)
  5. 不動産(不動産取引、建築基準法など不動産関連の法律、住宅や宅地に関する知識)
  6. 相続・事業継承(贈与、相続の法律と税金、事業継承対策などの知識)

より身近な生活のシーンで言えば、以下のような局面で考え方の方向性を指し示してくれます。

「子供が生まれたから教育資金の準備をしたい」
「老後の生活に困窮したくないので、老後資金を貯めたい」
「死亡保障や医療保障が気になるが、どんな保険に入ったらいいか分からない」
「住宅を購入したいが、住宅ローンの仕組みがよくわからない」
「資産運用について相談したい」
「遺言や相続の準備について教えてほしい」

ファイナンシャルプランナーとはこのように、人に相談しにくい「お金」について総合的にアドバイスをしてくれる専門家であると考えればよいでしょう。

FPの特徴と費用について

ファイナンシャルプランナーは独立系FPと企業系FPに分かれています

一般的に、企業系FPとは銀行や証券会社、保険ショップや保険会社、不動産事務所など、各企業に所属しているFPのことを言い、独立系FPとは、特定の企業に所属せず、独立開業(一人もしくは複数の人数で、個人事業主または法人として)しているFPのことを言います。

ファイナンシャルプランナーにお金の悩みを相談する際には、目的に応じてどちらに訪問するか決める必要があるでしょう。
資産運用の相談にのって貰いたい時、保険の組み換えを検討している時など特定の目的がある場合、それぞれ銀行や保険ショップのFPを訪問すれば、話がスムーズです。
また税金や相続、保険や住宅ローンなど、ライフプラン全般に渡るアドバイスを求める場合は独立系FPを選ぶのもひとつの考え方です。

この際、気になるのはやはり費用です。
ファイナンシャルプランナーへの相談報酬は「有料相談」と「無料相談」があります。

有料相談の相談料の目安は、下記の通りです。
1時間あたりの金額が1つの指標になりますが、もっとも多い価格帯は5,000円~10,000円となっています。
またこれとは別に、月額〇〇円などの定額制や顧問制などを設定しているFPもいます。
相談料については、実際に相談する前に十分な説明を受けて下さい

また有料相談の際には、資料作成等により別途料金が発生する場合もあります。
弁護士や税理士などの協力を得る際には別途料金が発生する場合がありますので、併せて事前に確認することを心がけて下さい。

無料相談については、基本的に相談そのもので費用が発生することはありません。
ただしこれらの相談は、金融機関であれば自社の金融商品を、保険ショップであれば自社が取り扱う保険商品を購入してもらうことで実質的な報酬に充てていることが多くあります。
そのため、複数の店舗に足を運び、それぞれのプランを見比べてみるのもひとつの方法でしょう。

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相談の流れと準備したいもの

ファイナンシャルプランナーに相談に乗ってもらいたい時には、やはり相談者自身がしっかりとしたライフプランを持つ必要があります。
そしてそのために判断材料になるものを持参すると、より役に立つアドバイスを受けることができるでしょう。
そのためここでは、一般的な相談の流れと準備したいものを見ていきます。

一般的な相談の流れ

1.悩みや不安な点、夢や目標をヒアリング
相談者の希望を確認し、何をどうしたいのかを具体化していきます。

2.現状把握
家計の収支や貯蓄状況、ローン返済状況、加入している保険証券、資産運用実績などを確認します。

3.分析
現状で家計に無理や無駄がないかを確認します。
またこのままの現状が続いたときに、①で具体化した夢や目標が叶えられるのかを検証します。

4.具体的なプラン提案
改善策を取り入れたプランをファイナンシャルプランナーが提案します。
都度、相談者と確認しながらベストなプランを探します。

5.実行の支援
ベストなプランを実行するために必要な、各種手続きや商品の申込などを行います。
場合によっては各分野の専門家を紹介することもあります。

準備すべきもの

ファイナンシャルプランナーに相談をしに行く際には、「相談をしたい分野は何か」を予め明確にすることも重要です。
自身の悩みや困っていること、今後の希望などを事前に整理しておくと、より詳細なアドバイスを受けることができるでしょう。

例えば
「子供が産まれたけれど、どうやって家計を管理・組み換えしたらいいか分からない」
「退職金を使って資産運用をしたい」
「相続する遺産があるので、税務知識について教えてほしい」
「このままの資産設計で老後生活が成り立つか心配」
など、どのようなことをファイナンシャルプランナーに相談したいのか、事前にまとめておいて下さい。

もし悩みが明確でなくとも、まずは不安な気持ちや疑問をファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
ヒアリングしていく中で解決方法が見つかるかもしれません。
様々なことを話していくうちに、自分が意図していないところで、改善点が見つかることもあります。
ファイナンシャルプランナーには守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れる心配もありません。

ファイナンシャルプランナーに相談する際には、現状をより詳細に把握するため、以下のような物があれば準備して持参しましょう。

  • 家計簿
  • 収支・貯蓄状況、ローン返済状況がわかるもの
  • 保険契約の内容がわかる書類

正確な情報が多いほど、より正確なアドバイスを受けることができますので、資料は事前に整理しておくとよいでしょう。

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まとめ

名前はよく聞くけど、余り接点が多くないかもしれないファイナンシャルプランナーという人たちについて、今回はご紹介しました。
FP資格者は一般に、総合的な資金計画を立て、相談者の夢や目標をかなえるサポートをすることを使命としています。

「お金」という観点から人生を捉えるにあたり、FPへの相談が役立つかもしれません。
ライフプランニングをする上で必ず出てくる「お金の悩み」について、機会があれば活用をご検討してみてはいかがでしょうか。

*1 出所)日本FP協会「FP資格について


*2 出所)一般社団法人 金融財政事情研究会「ファイナンシャル・プランニング技能検定 試験科目及びその範囲


*3 出所)日本FP協会「相談料の目安(有料相談)

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