投資信託での資産運用リスクを低減させる3つの考え方 

投資信託での資産運用リスクを低減させる3つの考え方 

投資信託は個別銘柄への投資と比べ、一般にリスクが低いとされています。
確かに投資信託は分散効果によってリスクを抑えることができるのですが、それでも価格変動の振れ幅は決して小さいとは言えません。
特に、投資を始めたばかりの初心者であればアップダウンが大きく感じられると、不安に感じることもあるかも知れません。

そこで今回は投資信託の資産運用のリスクのひとつである価格変動リスクについて、そのリスクを低減する方法を3つ紹介します。

資産全体における投資信託の運用比率を下げる

一つめの方法は、価格変動リスクがある投資信託の運用比率を下げることです。
投資資金を全額ファンド購入に充てるのではなく、一部を定期預金など元本割れリスクがない金融商品で運用するか、現金のままにしても良いでしょう。
具体的な例を挙げて解説します。

たとえば資産の20%を現金、残り80%をファンドで保有してみたらどうなるか考えてみましょう。
ファンド100%の場合と比べて現金部分は価格変動がないため、資産全体で見た価格変動の幅が2割減少することは直観的に理解できるのではないでしょうか。
さらに現金とファンドの比率を50%:50%まで下げれば資産全体で見た価格変動の幅は半分まで減少します。

ファンド自体のリスクをコントロールすることはできませんが、このように現金部分を持ち「リスクを薄める」ことで資産全体のリスクはある程度コントロールすることが可能です。
熱いお風呂を水で薄めて「良い湯加減」を作るイメージで「良いリスク加減」を探ってみましょう。

ただしこの方法には一点注意が必要です。
価格変動のない現金と価格変動のあるファンドという組み合わせで長期間保有していると、次第に当初決めた比率からずれていくことがあります。
ファンドの基準価額が上昇を続ければ資産全体に占めるファンドの比率が上がり、逆ならファンドの比率が下がります。
年に一度ぐらいは状況を確認してみましょう。それぞれの比率を元通りにしなければ、いつの間にか当初の想定より過大(もしくは過小)なリスクを負うことになってしまいます。

定期的に比率を元通りにすることを「リバランス」と呼びます。
なるべく当初想定したリスクを維持できるよう、定期的なリバランスは欠かさないようにしましょう

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より低リスクなファンドを選ぶ

二つめの方法はリスクの低い商品を選ぶことです。
リスクが高いか低いかを大まかに判断することは実はそれほど難しくありません。
これから運用を始める人や、運用を始めたばかりの人であっても、リスクの低いファンドを選ぶには、まず「ファンドの中身」に注目してください。

株式ファンドを例にとると、価格変動リスクの大きさは、そのファンドが保有している個別銘柄の種類や組入銘柄数によって変わります
投資対象・銘柄数と価格変動リスクの関係は概ね下記のような傾向が見られます。
全てのケースで当てはまるものではありませんが、リスクの大きさを計るうえでの簡易的な目安とご理解ください。

組入銘柄数が多く、広範に分散されたファンドほど価格変動リスクが低い

組入銘柄数は各ファンドの運用報告書または運用レポートに記載されています。
企業価値向上の見込まれる銘柄を目利きで選び取るアクティブファンドでは概ね数十銘柄、市場平均への連動を目指すインデックスファンドでは数百~数千銘柄といった具合にファンドによって組入銘柄数は大きく異なります。
組入銘柄数が多くなるほど分散効果が高くなり、ひいてはリスク低減への寄与が期待できます。

時価総額が大きく取引量が安定している大型株を扱うファンドほど価格変動リスクが低い

東京証券取引所の分類では、東証一部の銘柄のうち時価総額と流動性が高い上位100銘柄を大型株、上位400銘柄を中型株、その他を小型株としています。*1
時価総額が小さく、売買も大型株と比べて活発でない中小型株は売り手と買い手の需給バランスが崩れやすく、それが価格変動リスクの大きさにつながります。
そのため同じ国内株式ファンドであっても中小型株にフォーカスしているファンドは、大型株にフォーカスしているファンドと比べてリスクが高くなりがちです。
そのファンドがどのような銘柄を保有しているかは運用報告書または運用レポートに記載されています。
全保有銘柄は載っていないまでも、組入上位銘柄という形で載っていることが多いです。

株式ファンドよりも債券ファンドほど価格変動リスクが低い

一般的に債券は満期まで保有していれば額面と決められた利子を得ることができます。
一方株式には配当はありますが、債券と違って決められたものではなく、長期的には企業価値の向上に伴う株価上昇があって初めて利益を獲得することができます。
しかし将来的に企業価値が向上するかどうかは全く分からないため、債券よりも不確実性が高い、つまり高リスクであると言えます。
以上の点を参考にリスクが低いファンドを探して乗り換えるか、リスクの低い資産を一定割合組み込むことで、投資するファンドの価格変動リスクを低減させる効果が期待できます。

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値動きの異なるファンド同士を組み合わせる

三つめは投資信託を用いた資産形成ではしばしば用いられる方法です。
そもそも投資信託が個別銘柄と比べて低リスクであるとされる理由もここにあります。
投資信託は値動きの異なる個別銘柄同士を併せ持つことで既にリスクを一定程度抑え込んでいるのです。
さらに一歩考えを進めて、値動きの異なるファンド同士を併せ持つことでリスクの低減を図ることがこの方法のポイントとなります。

値動きの異なるファンド同士を併せ持った場合、片方が大きく下落するようなことがあってももう片方の下落が軽微であれば資産全体の損失をいくらか抑えられる効果が期待できます。
逆に値動きの似たファンド同士を併せ持ってしまうと、どちらも同じように下落するため、資産全体の損失を抑える効果は期待できません。

値動きの異なる度合いは相関係数として、-1~+1で表されます。

  • 両ファンドが全く同じ値動きになれば+1
  • 両ファンドが概ね同じ値動きになれば+1以外のプラス値
  • 全く関連性がなければ0
  • 両ファンドが概ね逆の値動きになれば-1以外のマイナス値
  • 両ファンドが全く逆の値動きになれば-1

値動きが異なるファンド同士をいくつか併せ持つことで効率的なリスク低減効果を期待する運用方法を「ポートフォリオ運用」と呼びます。
ポートフォリオ運用は年金運用でも採用されており、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では公的年金積立金を次のようなポートフォリオを基本として運用しています。*2

  • 国内債券:25%
  • 外国債券:25%
  • 国内株式:25%
  • 外国株式:25%
※上記は2020年4月選定の基本ポートフォリオ

また、株式や債券など複数の資産クラスを併せ持ったバランスファンドはそれ自体がひとつのポートフォリオと見なすことができます。
バランスファンドを選択すれば単一のファンドで簡単にポートフォリオを完成させることも可能です。
自分自身でファンドを併せ持って納得のいくリスク水準のポートフォリオを作るか、納得のいくリスク水準のバランスファンドを探して保有するか。
好みが分かれるところではありますが、やりやすいと思った方法でポートフォリオを構築してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

投資信託を用いた資産形成で価格変動リスクを抑える方法を解説しました。
運用において価格変動リスクは避けて通ることができず、人によって程度の差はあれ受容していかなければなりません。
リスクがどれぐらいの大きさであれば精神的に動揺することなく投資を続けていけるかという許容度をよく考え、その許容度に収まる範囲内までリスクを低減させることこそリスク管理の第一歩です。
もし今までリスクの許容度について考えたことがなければ、この機会に一度考えてみてはいかがでしょうか。

*1 出所)日本取引所グループ「用語集(大型株)

*2 出所)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「基本ポートフォリオの考え方

・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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