食費が高い家庭と安い家庭の違いがわかれば、家計管理は上手くいく

食費が高い家庭と安い家庭の違いがわかれば、家計管理は上手くいく

我が家の家計が世間に比べてどうなのか、気になるという人も多いのではないでしょうか。
なかでも食費については関心が高く、節約の余地はあるのか、あるいは妥当かと気にする人も少なくないようです。

食費は家族構成やライフスタイル、食に対する価値観などで金額の多寡が変わるものですが、予算管理が上手いかどうかも影響します。
節約の効果を直ぐに実感できる費目のひとつですから、世間の食費の平均を知り、上手に食費の管理に役立ててみてはいかはでしょうか。
そこで当記事では、さまざまな視点から食費の平均額を紹介するとともに、食費が高い家庭と安い家庭の違いについて説明していきます。

我が家の食費は高い?安い?

食べ盛りの子どもがいる家庭や、夫婦ともに仕事が忙しく外食や惣菜品に頼りがちな家庭では、食費が高くなる傾向があります。
自分の家庭の食費が高い方か低い方かと考える人は、世間の平均と比べてみるといいかもしれません

総務省の家計調査*1を参考に、まずは世帯の人数別に食費を見てみましょう。
野菜・肉・魚といった食材にかかるお金や、菓子類やアルコールなどの嗜好品にかかるお金、外食費などに区分していますので、それぞれ参考にしてみるといいでしょう。

出所)総務省統計局「政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査/二人以上世帯/2019年/世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出(勤労者世帯・世帯主年齢60歳未満)」を基に三菱UFJ国際投信作成

ご自身の家庭と比べていかがでしょうか。ここから先は4人家族を例に取り、年収などの他の条件を変えて食費の違いを見ていきましょう。

年収別

同じ4人家族のうち、世帯主の年収450万円~750万円までの世帯の食費をまとめたのが下表です。

出所)総務省統計局「政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査/二人以上世帯/2019年/4人世帯(有業者1人)年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(勤労者世帯)」を基に三菱UFJ国際投信作成

多少の違いはありますが、年収500万円を越えると家族4人の食費の平均額は8万円前後。外食や嗜好品への支出を除いた、食材などの買い物はおおよそ5万円程度です。

一方、年収450万円~500万円の世帯では食費全体で約2万円、食材などの買い物でも1万円程低めです。
節約しながら4人分の食費をやりくりしている様子がうかがえます

世帯主の年齢別

食費の多寡は子どもの年齢によっても変わってきます
子どもがたくさん食べて食費がかかる……というご家庭もあるのではないでしょうか。「世帯主の年齢が上がる=子どもが成長している(食べる量が増える)」という相関関係がありますから、世帯主の年齢別の食費の平均額を紹介します。

出所)総務省「家計調査/二人以上世帯/2019年/4人世帯(有業者1人)世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(勤労者世帯)」を基に三菱UFJ国際投信作成

参照した統計上、実際の子どもの年齢はわかりませんが、成長するにつれ食費が高くなる傾向はおわかりいただけるのではないでしょうか。
今回ご紹介した各区分のうち、ご自身の家庭がどれに当てはまるか確認して頂くと、その平均額が食費の目安と考えられるでしょう。

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食費が高い家庭の特徴

ここまで見てきたように、家族の人数や子どもの年齢などによって食費は変わるものです。
しかし、これらの事情に関係ないにもかかわらず食費が高い場合には、下記のような理由・原因が考えられます。

  • 食へのこだわりが強い
  • 食費にバラツキがある
  • 給料日前の数日は買い物を我慢し、給料日直後に多めに使ってしまう
  • 外食が多い
  • 菓子・酒類・贅沢品が多い
  • 節約のつもりで特売やまとめ買いをするが、期限切れで破棄したり、急いで食べてしまう

食費が高い理由のひとつに、無農薬や国産食材など、食へのこだわりが強いことが挙げられます。
毎日口にするものですから、健康のためにも食材に気を遣うことは大切です。
しかしそのために高級食材ばかり選んでしまえば、家計を圧迫する大きな要因になるでしょう。

生鮮食品は季節によって価格が変動するものですが、月々の食費にバラツキがある場合には、この波を上手に把握・活用できていない可能性もあります。
日々のニュースにも関心を持ちながら、安い食材を代用することも考えると良いでしょう。

菓子・酒類などの嗜好品は衝動的に手に取りやすいものです。
一つ一つは少額でも、気がつけば大きな食費になりますので、意識して節約を心がけましょう。

節約を心がけながら、逆に食費が上がっているケースもあります。
特売品や大容量パックをまとめ買いすることで、食べ急ぐことになり、消費量も食費も増えるという現象です。
家族にとっての適量をこまめに購入することが、実は節約につながることもあるのです。

これらを総合的に見て、食費や食材の管理をうまくコントロールできていないことで食費が高くなることが考えられます。
給料日前後のバラツキも、計画的に管理できていないことが原因と考えられますので、注意が必要です。

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食費が安い家庭の特徴

逆に、食費を安く抑えられている家庭の特徴としては次のことが挙げられます。

  • 食費予算を決め、守る
  • 自炊が多い
  • 特売品を上手く使いこなす
  • 保存のきくものはまとめ買いで単価を抑える
  • 食材や残り物の使い回しが上手

食費が安い家庭の特徴としてまず挙げられるのが、予算管理が上手なことです。
予算内に収めるために、自炊を心がけ、また特売品を上手く使いこなす事がポイントです。
特売品といっても、消費期限ギリギリの見切り品などではなく、品質は良いけれども規格外で通常価格で売れない野菜や果物などを利用します。

また、1週間、1カ月など一定期間に家族が消費する量を把握し、それに応じた買い物を設計するよう心掛けましょう。
過度な間食や夜食を前提に常に多めに食材を買い揃えると、逆に間食や夜食を誘発します。
菓子や酒類などの嗜好品も、いつでも十分な量がストックされていると、節制が難しくなります。
適切な自己管理のためにも、適量を把握し購入しましょう。

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食費管理のコツ

自身の家庭の食費をきちんと把握できていない人は、その確認から始めましょう。
お米を買うなど、食費が高くなる月もありますが、3カ月程度の長期で見れば平均化します。
毎月だけでなく数ヶ月単位でもチェックして、食費にバラツキがないか、衝動買いをしていないかを確認してみましょう。

支出をある程度把握できれば、予算決めです。
慣れていないうちは、月単位よりも週単位で予算を立てるほうが管理しやすくなります。
4週で割るか5週で割るか、細かく考えるのはストレスになって逆効果の場合もありますので、日割り×7で考えるなど、自分のやりやすいルールで工夫してください。

予算内に収めるためには、計画性のある食材管理も大切です。
食料品を一定量、常に備蓄しておくローリングストック法を実践してみるのもおすすめです。
これは、災害対策などで避難用食品を備蓄する方法のひとつですが、普段の食材管理にも役立ちます。
普段から食する日持ちのする野菜や果物、インスタント食品などを少し多めに買っておき、古いものから消費し、消費した分は買い足しをして、常に一定量を蓄えるようにします2。
家に何があるか把握できるうえ、余計なものは買わない、破棄しないなどのメリットがあり、食費節約にも役立つでしょう。

予算内に収められるようになれば、少しずつ予算を下げていきましょう

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食費管理が上手な人は資産管理も上手くなる?

食費管理が上手くなっていくと、資産管理も上手になりやすいということをご存じでしょうか。

食費を浮かした分を貯蓄に回せるという点は、もちろんわかりやすい成果の一つです。
それ以外にも、家族のメンバーが何を、どれだけ食べるかを見通す力や、食材・食品の価格を把握する金銭感覚、予算内に収める管理の上手さが、家計管理や資産管理の上手さにつながるのです。

家族の先を見通す力があれば、もう少し長いライフプランに応用し、将来的に何に、いくら必要かがわかるようになってくるものです。
子どもが成長するにつれて食費が上がっても、きっと臨機応変に対応できるでしょう。

コロナ禍の巣ごもり需要で、家庭内での消費支出が全体に増加傾向にあることが、メディアなどで報じられています。
このような時勢だからこそ、ご自身の食費が高いのか安いのかを改めて見直して、上手な家計管理や将来の資産形成に役立ててみるのもいいのではないでしょうか。

*1 出所)総務省統計局「政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査/二人以上世帯/2019年

*2 出所)一般社団法人日本気象協会「備蓄の心得 ローリングストックについて

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