低リスクだが多額の資金が必要?投資信託によくある5つの誤解を解説

低リスクだが多額の資金が必要?投資信託によくある5つの誤解を解説

投資信託は、多くの投資家が投資対象として選んでいる人気の高い商品です。
2020年2月に行われたアンケート調査によると、投資経験者の46.6%が投資信託の取引経験があり、90.3%が取引を継続しているという結果が出ています。*1

これから投資を始めようと考えている人にとっても、投資信託は有力な投資対象候補の1つになっているかもしれません。
ただし、投資信託を購入するのであれば、思わぬ失敗を避けるためにも予め正しく理解しておく必要があります。

この記事では、投資信託の基本的な仕組みを簡単に説明したうえで、よくある誤解について解説していきます。
投資に興味のある人はぜひチェックしていただければと思います。

投資信託の基本的な仕組み

投資信託とは、たくさんの投資家から集めた資金を、投資信託ごとに決められている方針に従ってプロが運用を行うという仕組みになっています。
この運用がうまくいって利益が出れば、投資信託を購入した投資家に還元されていきます。

投資家から資金を集めて運用する投資信託ですが、その資金のうち投資家に帰属する部分のことを「純資産総額」といいます。
これを元本として株式や債券等を売買していくわけですが、日々変わっていくそれらの時価によって純資産総額は増減していきます。

投資信託は口数という単位をベースに取引されますが、投資信託の1口あたりの値段は「基準価額」と呼ばれます。
この基準価額は「純資産総額÷総口数」で算出され、1日に1度だけ公表されることになっています。
そのため、1日のなかで変動することはありません。

投資信託による資産運用では、以下の2通りの方法で利益を出すことができます。

  • 基準価額が上昇してから売却する
  • 分配金を受け取る

なお分配金の取り扱いは投資信託ごとに異なり、毎月支払われるものからそもそも分配金を払い出さないものまでさまざまです。

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投資信託にまつわる5つのよくある誤解

投資信託の基本的な仕組みを説明しましたが、いろいろな要素が絡んでいるため誤解や勘違いしやすいポイントがいくつかあります。
ここではよくある5つの誤解として、以下について説明していきます。

  • 基準価額が低いほうが割安?
  • 分配金がたくさん出る投資信託のほうが良い?
  • 小口資金では購入できない?
  • プロが運用するから損をすることはない?
  • 投資信託はリスクが低い?

基準価額が低いほうが割安?

投資信託は基準価額が安いと、同じ資金でたくさんの口数を購入することができます。
通常の買い物感覚で考えると、安いほどたくさんの口数が買えてお得なように感じてしまうかもしれません。
しかし、投資信託の場合は、口数が多いからお得ということはありません

例えば、純資産総額が1億円のAファンドとBファンドがあったとします。Aファンドは総口数が1万口で基準価額が1万円、Bファンドは1,000万口で基準価額が1,000円だとします。
もし10万円の資金で運用するなら、Aファンドは10口、Bファンドは100口を購入することになります。

この場合、もし両者の他の条件がすべて同じだとすると、AファンドとBファンドのどちらを購入しても運用結果は同じことになります。
投資信託による利益は「投資金額(=基準価額×口数)×利回り」であり、投資金額と利回りが同じであれば利益は同じになるからです。
つまり、あくまで大事なのは、基準価額ではなく今後利回りがどうなるかというところです。

分配金がたくさん出る投資信託のほうが良い?

投資信託では分配金が支払われることがありますが、一般的には分配金の多い投資信託ほど利益がたくさん出ているように思われるかもしれません。

しかし、分配金は予め決められたそれぞれの投資信託の分配方針に基づいて支払われるもので、必ずしも分配金が多いからといって利益がたくさん出ているとは限りません
運用成果に応じて分配金の支払いを弾力的に行うもの、予め設定した水準の分配金の支払いを行うもの、あるいは分配金の支払いを抑制して信託財産の成長を優先するものなど、いろいろなタイプがあります。

また、分配金は投資信託の純資産総額から支払われるため、その分は基準価額が下がることになり、分配金が多いか少ないかで投資信託のパフォーマンスを判断することはできません。

小口資金では購入できない?

2017年12月に行われたアンケート調査によると、投資口座の開設を検討したきっかけとして「一定額以上の資産運用資金(預貯金等)の確保」を挙げている人が51.0%と、他の理由に大きく差をつけての1位となっています。*2

この結果から、投資にはまとまった資金が必要という認識を多くの人が持っていることが読み取れます。
しかし投資信託は、実はまとまった資金がなくても始めることが可能です。

多くの証券会社や銀行等において、例えば100円や1,000円といった少額で投資信託を積み立ていくようなプランも提供されています。
もちろん貯めた資金で大きく投資を始めることもできますが、身の丈に合った金額から少しずつ始めるという方法があるということも頭に入れておくといいでしょう。

プロが運用するから損することはない?

投資信託では、投資のプロであるファンドマネージャーが資産の運用を行ってくれます。
プロがやるのだから損をしないと考える人もいるかもしれませんが、投資において絶対に利益が出るということはなく、運用損失が出ることもあります

例えば、日経平均株価に連動するように運用される投資信託であれば、日経平均株価自体が下落している相場環境だと、基準価額は下がります。
あくまでも投資信託の方針に則ってプロは運用するので、相場環境が方針に合わなければマイナスになることは避けられません。

つまり、投資信託では細かい運用をプロに任せられますが、どういった方針の投資信託を選ぶかは投資家自身が判断することになるわけです。
自分が購入する投資信託の特徴をよく理解して、そのリスクについて十分に理解したうえで投資を行うようにしましょう。

投資信託はリスクが低い?

投資信託をうまく利用すれば、リスクを分散させた投資を少ない手間で実現できます。
これは事実ですが、しかし誤解を招く形で解説されていることもあります。
投資信託=低リスクであるという説明が、一概に正しいと言うことはできません
投資信託には幅広い商品が用意されており、ハイリスクなものも数多く存在するからです。

例えば、投資信託はアクティブ型とパッシブ型に分けられますが、アクティブ型は市場平均を上回るリターンを狙って運用が行われます。
こういった投資信託は高い利益を得られる可能性があると同時に、それ相応に大きな損失が発生する可能性もあります。

つまり、その投資信託に決められている運用方針次第で、リスクとリターンの大きさが決まるということです。
投資信託を購入する際は、その投資信託に決められている運用方針をよく理解して、自分が受け入れられるリスクの度合いと期待するリターンであるかを基準に選択することが大切です。

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リスクを理解して投資信託を買おう

今回は、投資信託に関するよくある誤解を5つ紹介しました。
投資信託について誤った認識を持ったまま購入してしまうと、自分が期待していたような投資スタイルを実現できないことにもなってしまうでしょう。

投資はリスクを受け入れてリターンを取りにいくものなので、確実に利益が出るわけではありません。
投資をするのであれば、自分がどんなリスクを負っているのかを正しく理解しておくことが望ましいでしょう。

投資信託を購入する際には、その商品についてしっかり勉強したうえで、どういったリスクがあるのかを理解したうえで判断することが大事です。
そうすることで、それぞれの考え方や資産形成のスタイルに合った投資に取り組むことができるでしょう。

*1 出所)三菱UFJフィナンシャル・グループ「“投資経験者”の意向調査 2020年7月」p6

*2 出所)三菱UFJフィナンシャル・グループ「金融リテラシー1万人調査の概要 2018年8月」p12

・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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