投資信託の「利回り」を整理! 正しい使い方と注意点を再確認しよう

投資信託の「利回り」を整理! 正しい使い方と注意点を再確認しよう

投資信託を購入する際には、できるだけ利益が出る商品を選びたいものです。そこで気になるのが、どれぐらいもうかるかを示す「利回り」です。

しかし、投資信託には分配金利回り・騰落率・トータルリターン等、さまざまな指標があります。これらを整理して理解しておかないと、投資信託の利回りをチェックする際に誤った見方をしてしまうかもしれません。

今回は、投資信託の指標について整理しながら、利回りの定義や注意点について解説していきます。

投資信託における利回りとは?

「利回り」というのは、投資金額に対して得られた利益の割合のことで、1年あたりの年率で表されるのが基本です。投資信託における利回りを計算式にすると、以下のようになります。

投資信託で得られた利益÷投資信託の購入にかかった金額×100(%)

計算式にある「投資信託で得られた利益」には、以下の2種類があります。

  • 分配金
  • 売却益

上記の合計から利回りは計算されますが、投資で得られる利益の全体ということで「トータルリターン」という言葉がよく使われています

では、利回りについて具体的な数字を使って見てみましょう。例えば、投資信託を100万円で購入し、分配金を1万円受け取った後、102万円で売却したとします。

(1万円+2万円)÷100万円×100 = 3%

この場合、分配金は1万円、売却益は2万円となり、上記の計算式の通り利回りは3%となります。(あくまで大まかなイメージで、手数料や税金は考慮していません。)

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投資信託の利回りに関する3つの用語

投資信託の利回りに関しては、以下のような紛らわしい用語が存在します。

  • 分配金利回り
  • 騰落率
  • トータルリターン

いずれも投資信託でどれぐらいの利益があがったかを示す指標ですが、それぞれの意味は異なっています。それでは、各用語について細かく見ていきましょう。

分配金利回り

分配金利回りとは、投資した金額に対する分配金によって得た利益の割合のことです。基本的には、1年あたりの年率によって表されます。計算式は以下のイメージです。

分配金÷投資信託の購入にかかる金額×100(%)

投資信託で得られる2種類の利益のうち、分配金に注目した指標が分配金利回りです。分配金の受け取りを期待して投資信託を購入する場合には、とくに意識しておきたい数字です。

ただし、分配金利回りが高いからといって、その投資信託の運用がうまくいっているとはかぎらない点に注意が必要です。分配金は運用によって得た収益から支払われるのが基本ですが、目論見書に定める分配方針にしたがって、運用する元本自体から支払われることもあるからです。

もし運用によって得た収益だけでなく運用する元本からも分配金が支払われる状態が続くと、投資信託の基準価額がどんどん下がっていくことになります。分配金利回りがいくら高くても、これでは必ずしも利益が出ていると言うわけにはいきません。

分配金利回りも重要な指標の1つですが、読み取れることに限界があることを理解したうえでチェックする必要があるでしょう。

騰落率

騰落率とは、一定期間における投資信託の基準価額が変動した割合のことです。例えば直近1年間の騰落率を計算式で表すと、以下のようになります。

(現在の基準価額-1年前の基準価額)÷1年前の基準価額×100(%)

騰落率は、投資信託で得られる2種類の利益のうち、売却益に近い指標と言えます。ただし、投資信託の売買で発生する各種手数料は考慮に入っていないので、売却益とはやや異なるところもあります。

基準価額の大きな推移がどうなっているかを把握するうえで、騰落率はとても役に立ちます。なお、より深い分析を行いたい場合は、基準価額のチャートを確認するといいでしょう。

ただし、騰落率だけで、その投資信託の状況をすべて理解することができるとは限りません。それは分配金を考慮していない場合があるからです。例えば、基準価額が横ばいで騰落率がゼロだったとしても、分配金をたくさん受け取ることができていれば優良な投資信託と言えます。

よって、騰落率を見る時は、計算に使われている基準価額が分配金を考慮したものになっているかを確認しましょう。分配金を考慮していない基準価額の場合、投資信託の利回りについて片側の側面しか見ていないことになります。

トータルリターン

トータルリターンとは、投資信託を購入したことによって得られるすべての利益のことです。また、その利益の投資額に対する割合を指すこともあり、その場合は1年あたりの年率で表されることが多くなっています。

投資信託で得られる2種類の利益を両方とも考慮しているため、投資信託の利回りを総合的に見ることができます。分配金利回りと騰落率を併せた数字というイメージを持っておくといいでしょう。

なお、トータルリターンはさまざまな証券会社等で使われている指標ですが、計算式が微妙に異なることがあります。細かい手数料等が反映されていないこともよくあるため、投資信託の利回りをすべて把握できるとはかぎらない点には、あらかじめ留意しておく必要があります

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トータルリターンに関する3つの注意点

トータルリターンは投資信託の利回りを総合的に見ることができる指標で、商品選定における重要な参考数値です。

しかしながら、トータルリターンだけでもうかる投資信託がわかるのかというと、そんな単純な話ではありません。ここでは、トータルリターンに関する注意点を3点紹介しておきたいと思います。

過去の利回りを将来も維持できるわけではない

もっとも基本的なところですが、トータルリターンは過去の実績を表した数字にすぎません。そして、投資環境は常に変動しており、過去と同じような運用が将来もできるとはかぎりません。

つまり、トータルリターンがどんなに良かったとしても、将来の利回りも良いと言い切ることはできません。とくに短期的に良い数字が出ていたとしても、それがずっと続く可能性が高いとは言えないと考えておいたほうがいいでしょう。

もちろん過去の数字は、将来を予測するうえで貴重なデータです。しかし、投資に絶対はないということをよく理解したうえで、トータルリターンの数字は利用するようにしてください。

高い利回りには高いリスクを伴う可能性がある

トータルリターンを使って投資信託を選定すると、高い数字を叩き出しているものに目を引かれるはずです。しかし、単純に数字が高い投資信託が優秀と言うことはできません。なぜなら、投資において大きな利益を出すには、高いリスクをかける必要があるからです。

高いトータルリターンを出すことができた投資信託は、それ相応のリスクをとって運用されています。もし相場急転等により運用が失敗した場合には、大きな損失が出てしまうかもしれません。

投資信託を選ぶ際には、まずは自分がどの程度のリスクを受け入れられるのかを明確にしておいてください。そのうえで、トータルリターンの数字を見ることで、自分に合った投資信託を絞っていくことができるようになります。

各種手数料や税金が考慮されていないことがある

トータルリターンの計算式には、売買時に発生する手数料や税金が考慮されていないことがあります。その場合、実際の投資信託の利回りはトータルリターンよりも低くなってしまいます。

そのため、トータルリターンを参考にして将来の期待利回りを考える場合には、トータルリターンをそのまま使うのではなく、計算式を細かくチェックしたうえで考慮されていない数字を差し引いておく必要があります

ちょっとした利回りの差でも、複利で計算をしていくと大きな差異になります。そのため、とくに長期的な資産形成計画を立てる際には、細かい数字についてもしっかりと考慮しておいたほうがいいでしょう。

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大切なのは長期的な視点を持つこと

将来に向けて資産形成をするうえで、投資信託は有効な手段の1つです。しかし、投資信託を闇雲に購入すればいいという単純な話ではありません。投資信託で運用をするうえで大切なのは、長期的な視点を持つことです。

何十年後にどれだけの資産にするという目標があれば、達成すべき利回りが具体的な数字として見えてきます。そして、達成すべき利回りが見えてくれば、自分が求める条件に合った投資信託を絞っていくことができます。

投資では高い利回りが目を引きやすいものですが、それには高いリスクが伴います。長期的な視点を持つことができれば、バランスの良い投資信託選びができるようになり、資産形成計画を達成する可能性も高めてくれることでしょう。

・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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