資産形成の必要性は感じていても、仕事が忙しくてなかなか投資を始められないビジネスパーソン(会社員)は多いのではないでしょうか。
「投資は時間や手間がかかる」と思うかもしれませんが、金融商品選びや投資方法を工夫すれば、時間や手間をかけることなく投資を始めることは可能です。
今回は、忙しいビジネスパーソンでも取り組める資産形成の方法を紹介します。
預貯金だけでお金を増やすのは難しい
低金利の影響で、銀行預金の金利は引き下げられています。
日本銀行の資料によれば、2020年4月の預金金利の平均は普通預金が年0.001%、定期預金が年0.018%(預入金額300万円未満、預入期間1年以上2年未満)となっています。*1
たとえば、普通預金に100万円を1年間預け入れた場合、受け取れる利息は10円(100万円×0.001%)です。ただし、受取利息には税金がかかるので、実際の手取り額は8円程度になります。
現在のような低金利では、預貯金だけでお金を増やすのは難しいでしょう。
「預貯金なら元本保証で安心」と考えるかもしれませんが、インフレによって物価が上昇すれば、預貯金だけでは資産が目減りするリスクもあります。
インフレに備えながらお金を増やすには、預貯金だけでなく、保有資産の一部を投資に回すことを検討する必要があります。
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株式投資は仕事に支障が出ることも
「投資」という言葉を聞くと、株式投資をイメージする方は多いのではないでしょうか。
株式投資では、投資銘柄の株価が上昇したタイミングで売却すると、購入価格と売却価格の差額が利益となります。
また、株式を長期保有することで、銘柄によっては年1~2回配当金や株主優待がもらえます。
株式投資は、うまく取引できれば利益を得られるかもしれません。
しかし、初心者が投資銘柄を選んだり、売買タイミングを判断したりするのは難しく、時間や手間がかかります。
常に値動きが気になってしまい、仕事に集中できなくなる可能性もあるでしょう。
短期的な値動きを気にせず、配当金や株主優待を目的に長期保有する方法であれば、時間や手間はかからないかもしれません。
それでも、定期的に業績や株価、優待内容の変更の有無などをチェックする必要はありますし、特定の銘柄への集中投資はリスクが高くなります。
リスクを下げるには分散投資が有効ですが、業種などにも配慮しながら複数の投資先を選ぶのは大変な作業です。
株式投資で資産形成を目指すのであれば、仕事をしながらこれだけの作業をこなすことができるか、よく検討しなくてはなりません。
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忙しいビジネスパーソンでも取り組める資産形成方法
株式投資は時間や手間がかかりますが、「投資信託の積立投資」であれば、忙しいビジネスパーソンでも無理なく資産形成に取り組めます。
投資信託とは、運用会社が不特定多数の投資者から資金を集め、運用方針に基づいて株式や債券などで運用し、運用で得られた利益を投資者に還元する金融商品です。
運用をプロに任せることができ、少額から簡単に分散投資できるのが特徴です。
投資信託の積立投資のメリット
投資信託の積立投資には、以下3つのメリットがあります。
- 時間や手間がかからない
- 少額から投資できる
- リスク軽減効果が期待できる
投資信託を選び、「毎月10日に5,000円購入」のように積み立ての設定をすれば、あとは金融機関が自動的に購入してくれます。
株式投資のように、自分で購入タイミングを判断する必要はありません。
最低投資金額は月1,000円程度の金融機関が多く、まとまったお金を用意しなくてもすぐに投資を始められます。
また、投資信託の積立投資は、リスク軽減効果が期待できるのもメリットのひとつです。
積立投資は毎月一定額を購入する方法なので、価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多くの口数を購入することになります。
結果として購入単価が平準化されるため、平均購入単価を下げる効果が期待できます。*2
投資信託の積立投資の注意点
投資信託の積立投資の注意点は、短期間でお金を増やすのは難しいことです。
積立投資を始めた当初は投資元本が多くないので、株価が上昇しても、お金が大きく増える可能性は低いでしょう。
しかし、積立投資を長く続ければ、少しずつ元本は増えていき、お金の増え方も大きくなります。
投資信託は長期間運用するほど、利益を元本に組み入れることで資産が増えやすくなる「複利効果」が期待できます。
また、資産・地域を分散した積立投資を長く続けると、結果的に元本割れする可能性が低くなる傾向にあることもわかっています。*3
投資信託の積立投資に取り組むなら、すぐに結果を求めず、長期間にわたって積み立てを続けることが大切です。
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ビジネスパーソンの資産形成で活用したい制度
ここでは、投資信託の積立投資に取り組むときに活用したい制度を2つ紹介します。
つみたてNISA
つみたてNISAは、積立投資で資産形成に取り組む投資家を支援する制度です。
日本在住の20歳以上の人が、1人1口座のみ開設できます。
年間40万円(月約3.3万円)までの非課税投資枠があり、非課税期間は20年間なので、最大800万円を非課税で運用できるのがメリットです。
投資信託の運用益には通常約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAで運用すれば非課税になるため、利益が出たときに税金分だけ手元に残るお金が増えます。
また、つみたてNISAの対象商品は、金融庁が選定した長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られています。
つみたてNISAは初心者の方でも利用しやすい仕組みになっているので、資産形成に取り組むなら積極的に活用したい制度です。
確定拠出年金
確定拠出年金とは、拠出された掛金とその運用収益をもとに将来の給付額が決まる年金制度です。
確定拠出年金には「企業型(企業型DC)」と「個人型(iDeCo)」の2種類があり、商品ラインナップには投資信託も含まれています。
つみたてNISAと同じく、確定拠出年金も非課税で運用できます。
さらに、自分で払った掛金(企業型のマッチング拠出、個人型)については「小規模企業共済等掛金控除」が適用されるため、所得税・住民税の節税になります。
ただし、確定拠出年金は原則60歳まで中途解約できません。*4
確定拠出年金を利用する場合は、手元資金が不足しないように、無理のない範囲で掛金を設定しましょう。
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まとめ
今回は、忙しいビジネスパーソンでも取り組める資産形成方法として、投資信託の積立投資を紹介しました。
投資信託の積立投資は、時間や手間がかからないのはもちろん、購入タイミングを分散することでリスク軽減効果も期待できます。
長く運用するほど複利効果で資産が増えやすくなるので、なるべく早く始めるほうが有利です。
資産形成の必要性を感じているなら、まずは少額から投資信託の積立投資を始めてみましょう。
*1 出所)日本銀行 「金融経済統計月報(2020年6月 金融1 預貯金金利)」
*2 出所)金融庁 「つみたてNISA早わかりガイドブック(Lesson2 時間の分散(積立投資)について学ぼう!)」
*3 出所)金融庁 「つみたてNISA早わかりガイドブック(Lesson4 長期投資の効果について学ぼう!)」
*4 出所)厚生労働省 「確定拠出年金制度の概要」
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・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
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