決算書を見るときに知っておきたい、企業に対する債権者とは

決算書を見るときに知っておきたい、企業に対する債権者とは

企業の株式や債券を購入する際に知っておきたいのが、企業の財務状況を示す決算書についてです。
企業の場合、仮に売り上げ規模が大きく安定しているように見えても、負債の比率が高い場合、一般にあまり良い状況にあるとは言えません。

そこで今回は、負債の中でも一般に大きな割合を占める「債務」という考え方について解説し、併せて「債権」について知るポイントを大まかに解説します。

企業の財務状況がわかる「貸借対照表」

上場企業が四半期に一度発表する決算書の中には、様々な情報が詰まっています。四半期や1年間の売上・利益だけでなく、決算日時点でどのくらい現金などの資産を持っているか、どのくらいの負債を抱えているか、などその内容は多岐に渡ります。

この中で、企業の財務状況を示している代表的なものが「貸借対照表」です。「バランスシート」とも呼ばれ、企業が持っている資産と負債について記載されています

貸借対照表には「資産の部」「負債の部」があります。

このうち「資産の部」には、資産の種類ごとに金額が掲載されています。現金や預金、企業が持っている株式など有価証券、建物・土地や車両、機械など「お金、もしくは換金価値があるもの」の一覧です。

そして、「負債の部」には、企業の「借金」が記されています。
「負債」「借金」というと、「お金がなくて銀行から借りている」という悪い印象を抱きがちですが、決算上の「負債」「借金」には色々なものがあり、負債のない企業というのは基本的にはありません。大切なのは資産とのバランスです。

「負債」として報告されるのは、概ねこのようなものです。

流動負債
  • 支払手形
  • 買掛金
  • 短期借入金
  • 未払金
  • 未払法人税等
  • 未払費用
など
固定負債
  • 社債
  • 長期借入金
など

といった具合です。

この中で、「支払手形」「買掛金」とは以下のようなものです。
企業の営業活動の中で、いつも取引のある仕入先から材料などを仕入れる場合、モノを受け取ったその日に現金で支払うということはまずありません。のちにまとめて、例えば1か月ごとに支払うというのが通常です。

その際の支払い方法として手形を発行すれば支払手形という負債になり、後にまとめて支払う義務がある金額は「買掛金」という、事実上の負債です。
どちらもその債権者は、材料などを売ってくれた企業や個人です。その金額を企業に請求できる権利を持っている、ということです。

そして「未払金」とは例えば、定期的な取引があるわけではなく、営業に使う文房具など単発の買い物を後払いにした場合はこちらに含まれます。債権者は文房具店ということになります。

これと似ていますが「未払費用」とはサービスの対価です。例えば家賃や光熱費などです。
また、未払費用には「給料」も含まれます。従業員は「労働」というサービスを先に提供し、後で給料日にその代金を受け取っている、という考え方です。この場合、債権者は従業員です。

決算日が給料日前の場合は締め日以降の給料がここに含まれますが、そもそも給料の未払いや家賃、光熱費の滞納額もここに計上されます。未払費用があまりにも大きくなっている場合は、何かトラブルを抱えている可能性があります。

企業の利益・損益だけでは見えてこない部分が、この貸借対照表を見ることでわかるのです。

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黒字でも企業倒産することがある

決算書でその時期の利益や損益を見ただけでは企業の内情はわからないという典型例が、リーマン・ショックの時に相次いだ「黒字倒産」です。

企業の場合、決算書の上では黒字だとしても、それは販売したものの代金を現金で受け取っているとは限りません。モノを納品した段階で現金をもらうわけではなく、「売上」であってもその分の現金がその会社に入っているわけではありません。

一方で給料などは現金で支払わなければなりませんから、企業に現金がなくなってしまうと給料日を過ぎたところで従業員に対する「債務不履行」となります。労働力を先に貰っているのに、その代金を支払えない状態です。
家賃や光熱費も同じような考え方です。

こうして、売上はあっても手元の現金がなくなり、従業員などの債権者に対してお金を支払えないと企業活動は止まってしまい、経営はその段階で破綻し、いわゆる「倒産」という形になります。

現金がなくなり、持っている株式などの有価証券を売ってもそれが大きく値下がりしていれば、予定通りの現金を手に入れられるわけではありません。また、銀行から短期的な融資を受けるにも、財務状況が悪い企業はそもそも融資を受けるのが厳しくなります。

一般の人でいう、「月末に給料が入ってくるけれど、今手持ちがなくて家賃を払えない」という状況に似ています。

逆に、赤字決算を出していても、手元に現金があれば様々な支払いは可能ですから、必ずしも倒産するというわけではありません。

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企業にとって債権者は様々

このように、企業は多くの債権者を日常的に抱えています。

銀行から借り入れがある場合は銀行が債権者となるのはもちろんのこと、社債を発行している企業の場合、社債の保有者も債権者です。企業活動が健全に続き、後払いをきちんとできている場合は「資金が回っている」状態です。

また、「倒産」という言葉は実は法的なものではなく、必ずしもその企業がなくなるわけではありません。そして「倒産」した企業の債権を持っていた場合でも、直ちにその全額が戻ってこないということでもありません。
企業が経営破綻した場合、いくつかの道があります。

経営が破綻した時、企業は裁判所にその申し立てをしますが、どのような形で企業を維持するのか、あるいは会社を畳んでしまうのかという対応の種類があります

日本でよく聞くのは「民事再生法」「会社更生法」という経営破綻後の法的手続きです。
これらの法の適用を裁判所に申請し認められれば、何らかの形で債権者にお金を返しながら企業を継続していくための協力を得ることが可能です。

また、「破産法」の適用を申請した場合は、企業が持っている財産を全て換金し、債権者に公平に配当するという形が取られます。
これらの場合、社債を始めとした多くの債権は、元本割れすることが多い傾向にあります。

一口に「倒産」と言っても、その内容や手続きは異なります
また、実際に債務不履行になる前に、そうなる可能性が高いという段階でこれらの手続きを裁判所に申請する企業も多くあります。

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まとめ

決算書は、見慣れない人にはとても難しいものに感じることでしょう。

しかし、その会社の株式や社債を持っている場合はもちろんのこと、例えば業界の中でも大きな企業の財務状況が悪化していることがわかった時には、業界の他の企業にも飛び火する「連鎖倒産」の可能性もあります。

また、決算書には「継続企業の前提に関する注記」という項目があります。ゴーイング・コンサーンとも呼ばれます。
普段は特に記載のない欄なのですが、ここに注意事項が書かれていた場合は気をつけたいところです。

決算書を見ることによって、黒字や赤字と言ったことだけではわからない企業の様子も見えてきます。一度目を通してみるのも良いでしょう。

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