株式会社とは? 社会人なら押さえておきたい基礎知識

株式会社とは? 社会人なら押さえておきたい基礎知識

現在の日本において、株式会社は広く浸透している制度です。

日本に存在する株式会社の数は約254万社にものぼり*1、内国普通法人のうち約93.8%*1が株式会社の形態を取っています。

株式会社という制度をベースにして、多くの経済活動が営まれ社会が回っていると言ってもいいでしょう。

今回は、この株式会社の仕組みや特徴について、知っておきたい基本を解説していきます。

株式会社の基本的な仕組み

会社とは、利益を出すことを目的とした法人のことです。会社法のなかで会社として4つの形態が定められており、株式会社はその中の1つです。

利益を出すにはモノやサービスを生み出す事業を行う必要がありますが、事業を行うためには資金が必要です。株式会社において、この元手となる資金を出しているのが株主です。

元手となる資金を出している株主は、株式会社の所有者となります。株式会社が事業で得た利益も、所有者である株主に帰属することになります。

株式会社において実際に事業に取り組むのは、基本的に株主ではありません。株主は事業に精通した人を経営者として雇い、経営者が業務上の権限を持つことになります。

事業を進めていくためには従業員も必要です。経営者の意思決定に基づいて、株式会社は雇用契約等を結んで従業員を雇います。

このような形で株式会社は事業を運営し、収益をあげていきます。経営者への報酬や従業員への給与も含め、事業運営に関連する各種費用を収益から差し引いた残りが、株主に帰属する利益となります。

経営者が事業に成功すれば、株主は利益を得られます。逆に経営者が事業に失敗すれば、株主は損失をこうむります。経営者の手腕に不満があれば、株主は経営者を変えることもできます。

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株式会社の二大特徴

株式会社は、世の中で使われずに余っている資金を集めて、大規模な事業を行うために作られた仕組みです。タンスにしまわれているような資金が事業活動に使われることで、効率的・効果的に経済活動が行われるようになるわけです。

この目的を達成するために、株式会社の仕組みには以下の特徴が盛り込まれています。

  • 株式
  • 間接有限責任

株式会社を理解するうえで欠かせないこの二大特徴について、それぞれ詳細に解説していきます。

株式

株式会社が元手となる資金を集めるにあたり、株主に対して発行されるのが株式です。株式というのは、株式会社の所有者としての権利を均等に細分化した証跡のことです。

発行する株式の数が増えれば増えるほど権利は細かくなり、1株あたりの金額が下がり、少ない資金でも買えるようになります。細分化によって株式を買える人が増え、世の中で幅広く資金を集めやすくなるわけです。

また、株式は1株がそれぞれ均等な価値である点も重要です。株主には支払った金額に応じた数の株式が発行され、株式会社における株主の権利は、この株式数に応じて平等に扱われます。

例えば、株主の多数決で経営者は選任されますが、この多数決は株主の人数ではなく株式数に基づいて行われます。また、事業で積み上げた利益を株主に分配する際も、株式数の比率に応じて分配額が決まります。

株式会社では世の中から広く資金を集めるため、参加する株主は多くの場合、他人同士です。そのため株主同士が個人的に話し合って経営方針を決めるのは一般的に難しく、株式数(=出した資金の額)に応じて機械的に処理できるように法律が設計されています

なお株式は、株式市場に上場されている場合は原則として自由に売買することができます。つまり、株式会社に出した資金は(取引相手がいれば)自由に回収することができるということです。

また、株式会社における権利関係は株式数に応じて機械的に処理されるので、株式の売買によって株主が入れ替わっても、問題なく円滑に処理できる仕組みになっています。

間接有限責任

株式会社が行う事業は必ずしも成功するとはかぎりません。事業に失敗すれば、元手では返しきれない大きな負債を抱え込む可能性もあります。
通常であれば、株式会社の所有者である株主もこの負債を返済する責任を負います。しかし、それでは株主になるリスクが高すぎるため、株式を買うことをためらう人が増えると考えられます。

そのため、会社法において、株主は株式会社が抱える負債に対して、間接有限責任しか負わないことが定められています

間接責任というのは、株式会社の債権者が株主に対して直接返済を要求することはできないことを意味します。債権者が請求できるのは、あくまで株式会社に対してのみです。

また有限責任というのは、損失の可能性が株式を手に入れるために出した金額に限定されることを意味します。つまり、株式の価値がゼロになることはあっても、追加で債務を負うことはありません

こういった特徴によって、株式会社は世の中のさまざまな人が安心して資金を出しやすい仕組みになっています。

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一般投資家による株式投資について

通常、一般の個人投資家が株式を買うのは証券市場においてです。日本の証券市場としては東京証券取引所がもっとも有名ですが、その他にも札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所があります。

これらの市場で株式が取引されている株式会社を上場会社と言いますが、上場会社の数は約3,800社*2です。日本に存在する株式会社のうちわずか0.15%程度*1*2の割合で、上場が簡単ではないことがわかります。

上場すると、プロだけでなく多くの一般投資家も株式を買えるようになります。幅広い投資家が安心して取引ができるように、取引所は適格と判断した株式会社しか上場させないようにしています

また、証券市場においてすべての投資家がフェアに取引できるように、金融商品取引法によって情報開示や内部統制構築等に関するルールが定められています。株式会社が上場すると、ルールを守るために手間をかける必要が出てきます。

こうした高いハードルをクリアして、ようやく上場会社は証券市場において一般投資家を相手に株式を発行して資金調達ができるようになり、発行した株式が一般投資家の間で売買されるようになっているわけです。

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「お金に働いてもらう」ことも考えよう

株式を買うのは、株主として株式会社の一部分を所有することを意味します。これは、「株式を買うために出したお金が、株式会社の事業の一部分となって働いてくれる」というふうに言い換えることもできるでしょう。

ちなみに、株式を買う手段は株式投資だけではなく、他にもお金に働いてもらう方法があります。

例えば、株式を投資対象とする投資信託を1口購入すれば、間接的にですが、ポートフォリオに組み込まれた複数の株式会社でお金に働いてもらうことができます

もし将来に向けて資産形成をしていきたいのであれば、従業員として働くだけでなく、株主になってお金にも働いてもらうことが、有効な手段の1つになると考えられます。ただし、投資は損失が出ることもあるため、余裕資金であることが大前提です。

世の中を回している株式会社の仕組みをふまえて、どういった立場で株式会社と関わっていけばいいか、一度考えてみるとおもしろいかもしれません。

*1 出所)国税庁「平成29年度 会社標本調査結果

*2 出所)日本取引所グループ「上場会社数・上場株式数」(2020年2月18日時点)

札幌証券取引所「単独上場会社」(2019年7月24日時点)

名古屋証券取引所「上場会社数」(2020年2月19日時点)

福岡証券取引所「単独上場会社」(2020年1月末時点)

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・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

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金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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