今一度確認したい!「年金」の支給額と免除制度の関係

今一度確認したい!「年金」の支給額と免除制度の関係

老後の生活費が年金だけでは不足するとした金融庁の報告書や、年金水準が30年後は現在の2割減になる見通しであるという厚生労働省の年金財政検証の結果などが相次ぎ、何かと注目されている年金制度。
会社員は毎月厚生年金が給与から引き落とされますから、継続的に勤めていれば将来的に一定額をもらえるということは確定しています。
しかし、肝心なのは自分が一体いくらもらえるのか。学生時代に学生納付特例を利用していた場合などは、免除期間が支給額にどう影響するのか気になっている方も多いかもしれません。

今回は、そんな年金の基本でもある支給額の確認方法と、免除および納付猶予制度についてお伝えします。

年金をいくらもらえるか、自分で計算はできる?

国の制度である公的年金は国民年金と厚生年金の2階建てで構成されており、両者の総額が最終的な受給金額となります。
年金を自分で計算する方法は、国民年金と厚生年金で異なります。

<国民年金の計算方法>

国民年金の場合は満期で納付した場合の額が最初から決まっているので、その額から実際の納付月を掛けることで算出できます。
まずは国民年金の支給額と資格について要点を整理してみましょう。

後述でも説明しますが、支給要件である10年以上の納付には免除期間なども含み、その期間に応じて支給額が変わります。計算式にすると以下の通りです。

780,100円(年の満額支給額)×(保険料納付済月数+全額免除月数×8分の4+4分の1納付月数×8分の5+半額納付月数×8分の6+4分の3納付月数×8分の7)÷40年(加入可能年数)×12ヵ月

※平成21年3月分までは全額免除月数→6分の2、4分の1納付月数→6分の3、半額納付月数→6分の4、4分の3納付月数→6分の5にて換算

国民年金の場合は加入期間によって受給額が変わるということになります。

<厚生年金の計算方法>

厚生年金も概要からまとめてみましょう。

厚生年金の支給額は、

定額部分+報酬比例部分+加給年金額

によって決まります。
まず定額部分は生年月日に応じた率と被保険者月数によって導き出されるものですが、率が変わるのは昭和21年4月2日以前からなので、ほとんどの方が該当するのが1.000%です。

定額部分=1,626円×1.000%×被保険者期間の月数

報酬比例部分は、文字通り報酬に応じて決まるものです。
計算式には「本来水準」と「従前額保障」という2種類があり、いずれか高額な方が適用されます。

・本来水準の報酬比例
平均標準報酬月額×生年月日に応じた率(9.5/1000~7.125/1000)×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×生年月日に応じた率(7.308/1000~5.481/1000)×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

・従前額保障の報酬比例
{平均標準報酬月額×生年月日に応じた率(10/1000~7.5/1000)×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×生年月日に応じた率(7.692/1000~5.769/1000)×平成15年4月以後の被保険者期間の月数}×0.998

そして、さらに必要なのが加給年金額です。簡単に言えば定額部分に上乗せされる年金額のことで、配偶者や子どもがいる場合に加算されます。条件は以下の通りです。

  • 厚生年金の被保険者期間が20年以上
  • 定額部分の支給開始年齢(480ヵ月以上)に達している
  • 配偶者は65歳未満であること
  • 子どもは18歳到達年度の末日前あるいは1・2級の障害状態にある20歳未満であること

配偶者は受給者の生年月日が昭和18年4月2日以降の場合は224,500円+特別加算額165,600円で合計390,100円。子どもは2人目までが各224,500円、3人目以降が各74,900円です。

厚生年金の場合は給与額、加入期間、配偶者や子の年齢と有無によって受給額が変わるということになります。

出所)日本年金機構「老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」

出所)日本年金機構「定額部分の単価」

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年金の免除制度や給付猶予制度はどのように扱われる?

さて、国民年金の支払いは20歳からスタートしますが、学生で支払いが難しい場合などは学生納付特殊制度を利用すれば、在学中は保険料を納付せずに済みます。この他にも、所得が一定額以下であったり失業時や産前産後期間については、免除制度や納付猶予制度を利用できます。
実際、学生のときや転職期間中などに納付猶予や免除制度を利用していたという方も少なくないのではないでしょうか。免除と猶予の違いは、将来受け取れる年金額に反映されるかどうかです。

国民年金の計算方法にもあったとおり、免除の場合は支給額に反映されます。国民年金を40年全額免除した場合でも、年間の満額である780,100円の半額相当の390,100円はもらえるということです。納付猶予制度の場合は受給額に全く影響しませんから、そのまま納付しなければ受給額は減ってしまいます。
免除または納付猶予期間がある場合は、10年以内なら追納が可能です。追納した際は所得税及び住民税が控除されます。

一方で、制度利用から3年以上経過すると追納時に一定額加算されてしまう点も押さえておきましょう。具体的な加算額は平成30年度の月分の場合で以下の通りです。

できるだけ年金額を増やしたいという場合は、免除または納付猶予期間がなかったか、追納を行いそびれていないかどうか確認してみましょう。

出所)日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」

出所)日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」

出所)日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」

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支給見込額はねんきん定期便かねんきんネットで簡単に確認しよう

以上に見てきた通り、支給額は自分で計算をしようと思うと複雑ですし、将来的に年金の水準がどう変動するかにも左右されるため正確には把握できません。そもそも累計で何ヵ月加入しているのかも把握している人は少ないでしょう。
そこで利用したいのがねんきん定期便またはねんきんネットです。

<ねんきん定期便>

毎年被保険者が誕生日を迎えた月に日本年金機構から送られてくる郵便物が「ねんきん定期便」です。通常ははがきサイズで届きますが、35歳、45歳、59歳の節目の年には封書で届きます。
なんとなくややこしい連絡だと思って、詳しく見ていない方も多いかもしれませんが、ねんきん定期便には

  • 直近1年間の納付状況(封書の場合は全期間の年金記録)
  • 50歳未満の場合:これまでの加入実績に応じた年金額
  • 50歳以上の場合:年金見込額

が記載されているので、面倒な計算をせずともねんきん定期便を見れば自分がどれだけ年金を納付していて、現時点でどれだけもらえる予定なのかが一目瞭然なのです。
見逃さないよう、届いたら必ずチェックしましょう。

出所)日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」

<ねんきんネット>

50歳未満の場合、ねんきん定期便でわかるのはあくまでこれまでの納付額に応じた年金です。実際の支給開始年齢である60歳または65歳の時点でいくらもらえるようになっているのかは、50歳以上にならないとわかりません。

その点をカバーできるのがねんきんネットです。「かんたん試算」「質問形式で試算」「詳細な条件で試算」の3つのシミュレーターが用意されており、必要な項目に答えれば将来的な支給金額の見込みを知ることができます。

ねんきんネットの利用は登録制ですが、ねんきん定期便に記載されている17桁のアクセスキーがあればIDをすぐに取得できますし、アクセスキーが手元に無い場合も、基礎年金番号や個人情報とともに申し込みをすることでIDを発行できます。政府が運営する行政手続きなどを行うオンラインサービス「マイナポータル」から連携してログインすることも可能です。

出所)日本年金機構「「ねんきんネット」に登録するには?」

出所)日本年金機構「ご利用申し込み(アクセスキーをお持ちでない方)」

出所)日本年金機構「年金見込額試算」

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まとめ

年金には、本当に支払われるのか、今後さらに受給額が減っていくのではないかという不安がつきまとっています。ですが、大切なのは自分が将来的にどのくらいの年金額をもらえるのかを把握した上で、老後に向けてこれからどんな対策をとるのかということ。ぜひ、以下の記事も参考にして、自分の老後について考えてみてください。

参考記事:「もしも老後にお金がなくなったら起こり得る事態とは

参考記事:「老後の備えは早いほどいい?公的年金にプラスできる資金計画を

参考記事:「老後資金の貯め方4選を詳しく解説

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(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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