ドローンの操縦に免許は必要?航空法の現行規制と今後の法改正動向

ドローンの操縦に免許は必要?航空法の現行規制と今後の法改正動向

無人航空機(ドローン)は、空撮・産業活用・物流など、幅広い分野での活躍が将来的に期待されています。

ドローンには墜落などの危険性があるため、航空法によって規制が設けられています
ドローンを操縦したいと考えている方は多くいらっしゃるかと思いますが、実際にドローンを飛行させる際には、航空法上の規定に留意しなければなりません。

航空法上のドローン規制の一環として、2022年を目処にドローン操縦のライセンス制度の導入が検討中となっています。
現在ドローンを操縦している方、これからドローンを操縦しようと考えている方は、現行の航空法を正しく理解し、かつ将来の法改正の動向を注視しておきましょう。

現行法上、ドローンの操縦に免許は不要

現行の航空法においては、無人航空機(ドローン)の操縦について、免許や資格の制度は設けられていません

ドローンに関する民間団体が独自に認定している資格はあるようですが、現行の航空法上は、ドローンの操縦は基本的に誰でもできるというのが実態です。

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飛行に関して許可・承認が必要な場合がある

ただし、一部の飛行に関しては、個別に国土交通大臣の許可または地方航空局長の承認が必要とされています。

一部の空域での飛行には国土交通大臣の許可が必要

以下の空域においてドローンを飛行させる場合、事前に国土交通大臣の許可を得る必要があります。

  1. 空港などの周辺の上空の空域 旅客機等との衝突を防ぐために、空港などの周辺の上空の空域でドローンを飛行させる際には、事前に国土交通大臣の許可を受ける必要があります(航空法132条1項1号、同法施行規則236条1号~3号)。 許可が必要な空域の具体的な範囲は、国土交通大臣の告示によって定められています。
  2. 150メートル以上の高さの空域 高い高度でドローンを飛行させる場合、墜落時の危険がより大きくなります。 そのため、150メートル以上の高さの空域でドローンを飛行させる場合には、事前に国土交通大臣の許可が必要とされています(航空法132条1項1号、同法施行規則236条4号)。
  3. 人口集中地区の上空 人や家屋が密集している地域の上空でドローンを飛行させると、墜落によって他人の生命や身体などが害される可能性が高まります。 そのため、国勢調査の結果によって指定される「人口集中地区」の上空でドローンを飛行させる場合は、事前に国土交通大臣の許可を取得する必要があります(航空法132条1項2号、同法施行規則236条の2)。

一部の飛行方法には地方航空局長の承認が必要

ドローンの飛行方法については、航空法上一定の遵守事項が定められています(航空法132条の2第1項各号)。
しかし、個別に地方航空局長の承認を得た場合には、原則として禁止されている飛行方法によって、ドローンを飛行させることができます(同項5号~10号、同条2項)。

地方航空局長の承認によって可能となるドローンの飛行方法は、以下のとおりです。

  1. 夜間(日没から日の出まで)の飛行
  2. 目視外飛行(ドローンを目視により常時監視することなく飛行させること)
  3. 人または物件(建物、自動車など)との間の距離が30メートル未満の飛行
  4. イベント上空飛行(祭礼や縁日など、多数の人が集まる催しの上空で飛行させること)
  5. 危険物輸送(爆発物などの危険物を輸送すること)
  6. 物件投下(ドローンから物を投下すること)

上記の飛行禁止区域におけるドローン飛行や、原則禁止されている飛行方法によるドローン飛行について、国土交通大臣の許可や地方航空局長の承認を得るためには、飛行に関する経験・知識・能力や、安全確保体制などに関する事項を記載した申請書を提出する必要があります(同法施行規則236条の3、236条の8)。

無許可・無承認でドローンを飛行させた場合の罰則

国土交通大臣の許可または地方航空局長の承認が必要なドローン飛行を無許可・無承認で行った場合、「50万円以下の罰金」に処される可能性があります(航空法157条の5)。

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2022年導入目標:ドローン操縦ライセンス制度の概要

現行の航空法上は、ドローン操縦に関する免許・資格の制度は設けられていません。
しかし、将来的なドローンの活用可能性を広げるため、2022年を目処に「無人航空機操縦士」と呼ばれるライセンス制度の導入が検討中であり、すでに法案が閣議決定されています。

参考)国土交通省「航空法等の一部を改正する法律案を閣議決定~航空ネットワークの確保と航空保安対策、ドローンの更なる利活用を推進!~

以下では、新たに導入が検討されている「無人航空機操縦士」のライセンス制度の概要を解説します。

ドローン飛行の4つのレベル

そもそも、ドローンの飛行形態は、以下の4つのレベルに分類されています。

レベルが上がるに連れて、ドローン飛行に関する危険性・リスクが高くなります。
現行の航空法上は、レベル4に該当する「有人地帯における目視外飛行」は一律不可とされています。

しかし「有人地帯における目視外飛行」は、無人輸送や空撮などでの活用可能性が非常に大きいため、必要な規制を設けたうえで早期に実現することが期待されています。
そこで、2022年中に「有人地帯における目視外飛行」の実現を目指して、「無人航空機操縦士」のライセンス制度の導入をはじめとした航空法の改正が検討されているのです。

操縦ライセンスを取得するとレベル4飛行が可能に

閣議決定された航空法の改正法案によれば、「無人航空機操縦士」のライセンスを取得すると、一定の条件下でレベル4のドローン飛行が可能になります。

なお改正法案では、ライセンスは「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2つに分けられています(航空法改正案132条の42)。

両者の大きな違いは、原則禁止の対象となっている「特定飛行」(レベル4のドローン飛行を含む)を行う際の「立入管理措置」の要否です。
立入管理措置とは、ドローンを飛行させる者およびこれを補助者以外の者が飛行経路に立ち入ることを管理するための措置をいいます。

一等無人航空機操縦士のライセンスを持っていれば、レベル4を含む特定飛行を行う際の立入管理措置が不要となります。
これに対して二等無人航空機操縦士の場合は、立入管理措置が必要です。

レベル4のドローン飛行を可能になる点以外にも、「一等無人航空機操縦士」または「二等無人航空機操縦士」のライセンスを取得していれば、これまで許可・承認が必要だった飛行について、許可・承認の取得が不要となったり、審査が簡略化されたりするメリットがあります。

今後ドローンの運行を事業化する場合には、操縦者が「一等無人航空機操縦士」または「二等無人航空機操縦士」のライセンスを取得することが事実上必須になる可能性が高いでしょう。

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まとめ

ドローンは新しい技術であるため、法制度の発展速度も速い傾向にあります。
そのため、今後ドローンに関わっていこうとする場合には、法改正の動向を常に注視することが大切です。

まずは直近の航空法改正の動きに注目して、ドローンに関する法制度への理解を深めましょう。

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