今話題のESG投資って何?今さら聞けない基礎知識をコッソリ勉強しよう

今話題のESG投資って何?今さら聞けない基礎知識をコッソリ勉強しよう

近年、ESG投資という単語をよく聞くようになりましたが、「そもそもESGの読み方がわからない」「どういう意味か知らない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ESG投資とはなにか、なぜESG投資が注目されているのかについて解説します。
また、ESG投資に興味はあるけれどどうすればよいかわからない方のために、個人でも取り組めるESG投資の方法もあわせて見ていきましょう。

ESG投資とは

ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉で、「イーエスジー」と読みます。
企業の持続可能な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要であるという考え方です。

例えば、「環境」であれば脱炭素対応等の環境へ配慮した活動、「社会」であれば労働環境の改善やダイバーシティの実現等の社会への貢献、「企業統治」であれば取締役会の多様性や不祥事を防ぐ等の確りとした会社経営など、様々な要素が挙げられます。

ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、「環境」、「社会」、「企業統治」の要素に配慮した企業に投資を行うことです
また、それぞれの要素に関連する項目として、以下の図のように多種多様な課題が存在します (図1)。

図1 ESG分野別に関連するビジネス課題

出所)三菱UFJ銀行「ESG分野別に関連するビジネス課題

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ESG投資の広がり〜環境問題と経済の関係

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書によると、世界の平均気温の上昇は少なくとも今世紀半ばまで続きます
「向こう数十年の間に温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球温暖化は1.5℃及び2℃を超える」*1と予想されています。 

気候変動が及ぼす影響は環境問題だけではありません。このまま温暖化が続けば、食糧安全保障への悪影響、貧困や水ストレスが増大し、アフリカやアジアを中心に社会・経済への影響は甚大であることが予想されています。*2

ESGに似た考え方として、1990年代後半には企業の長期的存続を企図したCSR(企業の社会的責任)という概念が存在していました。
CSRは、企業が利益を追及するだけでなく、組織活動が社会に与える影響に責任を持った上で企業自身も発展するという考え方です。

しかし、企業だけが継続的な発展を目指していても、持続可能な社会の実現はできません。
そのため、2006年に当時の国連事務総長であったコフィ・アナン氏がPRI(国連責任投資原則)の考え方を提唱し、投資においてもESGが重要視されるようになりました。PRIには6つの原則があり、内容は以下の通りです(図2)。

図2 PRIの6つの原則

出所)三菱UFJ銀行「PRIの6つの原則

日本でも、2015年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名しています。GPIFは巨額の資産を持ち、幅広い資産や証券に分散投資を行っている投資機関(ユニバーサルオーナー)であるため、GPIFがPRIへ署名したことは日本にESGやESG投資といった概念が広まるきっかけの一つとなりました

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の登場も相まって、PRIに署名する機関は増加しています (図3)。
2020年3月末時点でのPRI署名機関は3,038機関で、その運用資産総額は100兆ドルを上回りました。

図3 PRI署名機関数と資産運用額の推移

出所)株式会社 三菱UFJ銀行「PRI署名機関と資産運用額・保有額の推移

このように、ESG投資は持続可能な社会を実現するための金融「サステナブルファイナンス」として世界中で注目を集めているのです

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ESG投資の魅力

今では企業にとっても重要なESGですが、投資家にとっては2つの魅力があります
まず1つ目は、ESGの観点を考慮することにより長期的なリターンを期待できる点です*3
資本市場は長い目で見ると環境問題や社会問題の影響から逃れられません。ESGの観点を取り入れ、これらの問題が資本市場に与える負の影響を減らすことができれば、投資リターンを持続的に追求できるようになります。*4

もう1つの魅力は、ESG投資を通して社会貢献ができるという点です
ESG投資は炭素対応や労使関係、経営の透明性など社会問題を解決しようとしている企業を投資という形で応援することができます。

先に述べたSDGsは2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。
地球上の「誰一人取り残さない」ことを目標にしており、17のゴール・169のターゲットから構成されています。*5
SDGsのゴールやターゲットは貧困や気候変動への対策などESGとの共通点も多く、ESG投資を行うことでSDGs達成に大きく貢献することができます

ただし、投資という行為は利益が保証されていません。ESG投資も、投入した自己資金が元本より減ってしまう可能性があることは理解しておきましょう。

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投資信託などを通じて個人でもできるESG投資を始めてみよう

ここまで、ESG投資に注目が集まったきっかけ、ESGの定義や魅力についてお伝えしました。
では、個人でESG投資を行うにはどうすればよいのでしょうか。

手間はかかりますが、各企業の財務情報やESG要素を自分で調べ、該当する企業に個人で株式投資することもESG投資の1つの方法です

自分で企業の取り組みや財務状況を調べる自信がないという方には、ESG関連の投資信託を利用するという方法もあります。
投資信託であれば、あらかじめ専門家が投資対象を選択し、運用を行うため手間がかかりません。また、小額から分散投資できるというメリットもあります。

これからの資産形成に興味がある、何らかの形で社会貢献をしたいという方は、選択肢の一つとしてESG投資を検討してみてはいかがでしょうか。

*1 出所)環境省「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書 第1作業部会報告書(自然科学的根拠)」P1

*2 出所)環境省「IPCC「1.5℃特別報告書」の概要」P40,P41

*3 出所)財務省「ESG投資について」P10

*4 出所)年金積立金管理運用独立行政法人「なぜGPIFがESG投資をするのか

*5 出所)外務省「SDGsとは?

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